【乾杯】なぜ乾杯=Toast?その由来

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英語で「乾杯」というとまず『cheers』という単語が思い浮かぶと思いますが、『toast』という単語も乾杯をさすことをご存知でしょうか?

『toast』と聞くと「パンのトーストのこと?」と不思議に思う方が多いと思いますが、実は乾杯の『toast』とパンの『toast』は同じものを指しているのです。

ここではなぜ『toast』が『乾杯』を指すようになったのか、その由来を紹介していきます。

Summary:要約

ワインの品質が悪かった時代に、ワインの香りをより引き立たせ美味しく飲むために、焼いたパン=トースト(toast)をワインに入れはじめたことが由来。

Toast=乾杯の由来

パッと聞くとToast(パンのトースト)と乾杯の間には、全く何の関係も無いように思います。
それでは、なぜ『Toast』が『乾杯』を意味するようになったのでしょうか?

これには諸説あるのですが、最も有名な一説によると『昔の人はワインに焼いたパン(=トースト)を入れて飲んでいた』ことがその由来となっているようです。
つまり『乾杯』を意味する『Toast』は、ワインを飲むときに入れた『焼いたパン』を指しているのです。

時代は古代ローマ時代にまでさかのぼり、その時代からワインは盛んに飲まれていたものの、現在に比べてはるかに品質が悪いことから味・香りともにそのままでは美味しく頂くことが難しかったようです。
貴族ではなく一般の庶民が飲むようなワインであればその品質はなおさらだったことでしょう。

そうした背景の中で、どうにかこのワインを美味しく飲めないかという試行錯誤がなされ、いつしか『ワインに焦がしたパンを入れる』ことでより香りが引き立つということが広く知られるようになり、定着しました。

この文化が長く定着し、17世紀頃には香辛料を付けて焼かれたトーストのかけらをワインに入れ、香りを高めるという飲み方がされていたようです。
古代ローマ時代発祥の文化とすると、実に2000年間にも渡り残っている文化ということになります。
歴史を感じずにはいられませんね。

ちなみにこの『toast』という表現ですが、乾杯の掛け声ではなく『乾杯すること』自体を指します。
乾杯の際の掛け声には主に『cheers』を使います。

乾杯の文化自体の由来

メインテーマからは若干はずれますが、参考までに乾杯の文化自体の由来についても触れたいと思います。
乾杯自体は2500年以上前からある文化のようで、その由来にはtoast以上にたくさんの諸説があるのですが、欧米圏で言われているいくつかの説を紹介します。

悪霊祓い
これは何となくイメージができますね。
乾杯でグラスを当てることにより、おそらくはその音で悪霊を追い払うことができると考えたのでしょう。

お酒の解毒
ニュアンスとしては、グラス同士を当ててお酒を空気に触れさせることでお酒をキレイにするイメージでしょうか。
現代でもお酒を揺らせ空気に触れさせることで酸化を促し、より香りを引き立てるという行為は一般的に行われていますが、当時からそういった考え方があったのかもしれません。

一体感の醸成
昔は物資が豊富でなかったことから一つの大きな瓶にお酒を入れ、それを皆で回し飲みするように飲まれていたことが一般的だったのですが、やがて個々人が自分のグラスを持ち、大きな瓶から各々のグラスに注いで飲まれるようになりました。
そうすると瓶を回し飲みしていた頃に比べてどこか一体感が失われ、寂しい気持ちになったのでしょう。(日本で言う「同じ釜の飯を食う」に近かったのかもしれません)
そこで個々人のグラスを当てることでその再統合をはかり、一体感・親密感の醸成をはかったとのことです。

これらの説は全て言い伝えによるものですが、おそらく大なり小なりこういった意味合いで行われていたのではないでしょうか。何となく、感覚的にも納得できるものがありますよね。

英語で乾杯をされる際には、こういったことを思い出してみることでより感慨深い気持ちになれるかもしれません。そしてまた、飲み会でのトークでもトリビアとして使ってみてはいかがでしょうか。

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